ウォール街のランダムウォーク理論が7割正解で3割間違いの理由
「ウォール街のランダムウォーク」
という理論があります。
相場の値動きはランダムなので、
過去の値動きから未来を予測することはできないとする仮説です。
10年相場に関わってきて感じたことですが、
これは7割正解で3割間違いだと思います。
なぜそんな中途半端な数値になるのでしょうか?
7割と3割で割り振った理由は、
相場の7割はレンジである
という事実からです。
レンジというのは、買い方と売り方の力が拮抗している状態で、
上がるも下がるも50%の状態です。
厳密に言えば、
レンジの上限では売り方の力が強く、
レンジの下限では買い方の力が強くなるため、
レンジのどのゾーンでも50%ということではありません。
しかし、トレンド発生時と比較すると、かなり50%に近づく動きとなります。
そして、この買い方と売り方が拮抗している状態だと、
少し上がれば売られ、下がれば買われ、レンジの真ん中に押し戻されます。
レンジの真ん中では力が完全に拮抗し、確率が50%に近づいていくので、
値動きがランダムとなるのです
しかし、相場には値動きがランダムにならない時があります。
それは、買い方、売り方、そのどちらかの負けが決まり、
片方が白旗を上げて逃げ出している最中です。
この状態になっている時、つまりトレンドが発生している時は、
上がるか下がるかの確率は50%ではなくなり、
場合によっては限りなく100%に近づきます。
相場全体の3割に当たる、このトレンドが発生している時に限り、
ウォール街のランダムウォーク理論は適応されなくなります。
そして、トレーダーが狙うべきポイントは、
「このウォール街のランダムウォーク理論が機能しなくなっている瞬間です」
それ以外のところで勝負してしまうと、確率がほぼ50%であるために、
トレードを続ければ続けるほど、取引手数料分(スプレッド分)損してしまいます。
さらに厳密に言えば、日足でレンジに見えるところでも、
15分足だと短期のトレンドが発生している場合があります。
この場合、15分足レベルではランダムウォーク理論は適応されません。
デイトレーダーなどは、この瞬間を狙ってトレードしています。
そして、その瞬間のみを狙ってトレードすることにより、
確率を味方につけて、トータルで勝ち越すことができるようになるのです。
それが「優位性」と呼ばれるものの正体の一つです。
「トレードは待つことが大事」
と言われますが、
何を待つのかと言うと、
「確率が50%ではない瞬間」
を待っているのです。
今日のテーマに関しては以上です。
次回は、「相場の不確実性」というテーマで記事を書いてみたいと思います。
では!